相続・遺言に関するもの
- 相続財産とはどんなものがあるんですか?
- 相続財産は、土地や預貯金といったいわゆるプラスの財産(積極財産)ばかりではなく、借金等のマイナスの財産(消極財産)もその対象となります。プラスの財産(積極財産)としては、土地・建物、現金、預貯金、有価証券、自動車等、マイナスの財産(消極財産)としては、借金、保証債務、損害賠償金等があります。
- 借金を相続せずにすむ方法はありますか?
- 原則として相続開始があったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所において相続放棄の申述をし、受理されれば、借金等の債務を承継せずに済みます。但し、上記家庭裁判所での相続放棄の手続をした場合は、相続財産の一切を放棄したことになりますので、プラスの相続財産(積極財産)も放棄したものとされます。また、上記相続放棄の手続と別の手続で、プラスの相続財産の限度でマイナスの相続財産を弁済することを留保して相続する限定承認という制度があります。限定承認の期間制限については上記相続放棄の場合と同様です。
- 遺言書にはどんな種類がありますか?
- 遺言書には、代表的なものに自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言は、証人の立会いも不要で手間ひま・費用のかからない方法ですが、方法を誤ることで無効になったり、遺言書そのものが発見されないままになったりすることがあります。公正証書遺言は、公証人と証人の立会いの下に作成し、遺言書の原本は公証人役場に保管されますので上記のような心配はありません。公正証書遺言をおすすめします。
- 相続財産が少額でも、遺言を書いておいたほうがいいのですか?
- 遺言は大切な方への最後のメッセージです。残された方々の為にもご自分の気持ちを残しておくことが大切だと思います。満15歳以上なら、遺言をすることが出来ます。たとえ、相続財産が少額であっても、「争続」とならないように遺言書を書いておくことをおすすめします。
不動産登記に関するもの
- 不動産の贈与をしたいと考えてますが、どうしたらいいのでしょうか?
- 不動産を贈与する際には贈与契約を当事者間で締結したうえで、贈与による所有権移転登記を申請する必要があります。ただし、贈与をする場合、贈与税が問題になることがあり、「こんなに税金がかかるなら止めておく」と判断されるお客様もいらっしゃいます。管轄の税務署やお近くの税理士さん等にご相談していただき、贈与するか否か判断して頂くことになりますが、当司法書士事務所では、長年の実績に基づくネットワークがあるためこのような場合でも総合的にお力になれると思いますので、まずはご相談ください。
- 権利証を紛失してしまったのですが大丈夫でしょうか?
- その場合、事前通知制度(登記識別情報又は権利証を正当な理由があって提出できない場合に、登記官が登記義務者へ通知をして真実性を確認する制度)を利用するか、もしくは当職が作成する本人確認情報が必要になります。権利証がなくても手続は可能です。一度お気軽にご相談ください。
- 自宅不動産しか財産がない場合にすべき相続対策は?
- 預貯金等がそれほど多くなく、自宅不動産くらいしか大きな財産がないケースは多いです。その場合、当該不動産の相続税評価額が基礎控除額以下であれば、相続税の申告義務は発生しませんので、相続税対策を考える必要はありません。しかし、そんなケースでも相続人が複数いる場合には、遺される方々に対して遺言書を書く意義は大きいと言えます。自宅不動産の価値と同程度の預貯金がある場合や自宅を売却して売却益を分配することで話がまとまれば良いですが、そうでない場合には、自宅を誰が相続するかで将来遺産争いが起きる可能性があるからです。また、遺産相続とは別に、祭祀承継(墓守等)を誰がすべきかということもきちんと指定しておくことも大変意味があるでしょう。従いまして、財産の多少にかかわらず、遺される方々に対し、自筆でもいいので遺言書を残しておくことを強くお勧めいたします。
- 相続人に未成年者がいる場合、親が代理して遺産分割協議をすることができるのですか?
- 未成年者の親が相続人の一人になっている場合には、親権者であっても代理して遺産分割協議をすることはできません。この場合未成年者の代わりに遺産分割協議に参加する特別代理人を家庭裁判所で選任してもらい、その特別代理人を交えた相続人全員の間で遺産分割協議をする必要があります。これは、親と未成年者の利益が相反し、未成年者の利益が害されるおそれがあるためです。
会社・法人登記、事業承継に関するもの
- なぜ商業登記・法人登記が必要なのですか?
- 会社の登記(商業登記)は、どのような会社なのかを一般に公示する制度です。そして、法律は、この商業登記を義務づけることで、取引の安全をはかっています。そのため、会社を運営していると、必ず商業登記を行わなければならない場面に直面することになります。登記を怠ったまま放置すると、法務局より過料を科せられ100万円以下の金額を支払わなければなりません。
- 設立できる会社はどのようなものがありますか?
- 新会社法では、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の3種類があります。その他には有限会社がありますが、現在では有限会社法が廃止され、廃止時に存在していた有限会社は特例有限会社として存続しております。商号もそのまま有限会社となっています。また有限会社は新たに設立することはできません。
- 役員に変更がなくても手続きをしないといけないのですか?
- 役員は、任期が満了すると当然に退任することになります。会社法上は後任の役員が選任されるまで権利義務を承継することになっておりますが、退任時期はあくまで任期満了日です。従いまして、任期が到来している役員について実質的に変更がない場合であっても、役員の改選手続きをし、その登記をする必要
があります。この手続きを怠ると過料を科せられ、必要のない出費をしなければならなくなりますので注意が必要です。
- 事業継承の準備をしていくタイミングはいつがいいのでしょうか?
- 一般的には、経営者の方が引退する5~10年前くらいから(経営者の方のご年齢が60歳くらいから)準備をしていったほうがいいといわれています。特に後継者の方の育成などを考える場合はある程度の年月を経て事業承継していくのことが、円滑で失敗しないコツといわれています。
成年後見に関するもの
- 成年後見制度とはどんな制度ですか?
- 後見制度とは、ご高齢者や障害者等、精神上の障害をお持ちの方のために、専門家が財産管理や身上監護をする制度です。成年後見制度は大きく分けて法定後見と任意後見があります。法定後見の場合、判断能力が不十分になった際に、ご自身のために家庭裁判所が専門家を選任します。これに対して、任意後見の場合、ご本人が元気なうちに誰に管理を任せるか決定することができます。
- 成年後見制度のデメリットはなんですか?
- 会社の取締役に就けなくなったり、弁護士や医者等の一定の資格に就けなくなるといった資格制限もあります。なお、成年後見制度を利用してもその旨が戸籍に記載されることはありません。
その他の業務に関するもの
- 取引先が売掛金を支払わないのですが、どうしたらいいのでしょうか?
- 金銭その他の代替物または有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求権については、金額の高低に係わらず、債務者の住所地の簡易裁判所書記官に対して、支払督促の申し立てをすることが可能です。申し立てには、権利の存在について書記官にある程度認めさせるだけの資料が有ればよく、債務者の意見を聞かずに支払督促は発令されます。ただし、債務者は異議をのべることができますので、この場合には通常の裁判手続に移行していきます。この場合には、債務者の住所地の裁判所が管轄裁判所となるので注意が必要です。異議がなく2週間経過すると、債権者は仮執行宣言の申し立てをすることができ、強制執行をすることができるようになります。
- 成年簡易裁判所訴訟代理関係業務とは何ですか?
- 司法書士も簡易裁判所において弁護士同様に法廷で訴訟代理人となることができるようになりました。簡易裁判所で扱う訴訟は、訴訟の目的の価額が140万円以下のものとなります。訴訟代理人は、原告、被告の代わりに裁判所に行って口頭弁論等を行うことができます。簡易裁判所での訴訟をサポートする業務ということです。