相続
初めての相続手続きで、どうしたらいいかわからない
不幸にもある方が亡くなると、その方(被相続人)の財産の権利義務は、相続人に引き継がれることになります。
これを相続といいます。
また、相続の前に、お葬式、法事など、やらなければいけないことがたくさんあります。
相続の話をするのは一般的に四十九日が過ぎてからと言われますが、相続財産にはプラスの財産だけでなくマイナスの財産もあり、マイナスの財産がプラスの財産より多い場合は、相続放棄や限定承認の手続きを3か月以内にしなければならず注意が必要です。
当事務所では、相続人調査から遺産分割協議書の作成、登記申請まで、ご依頼される方の意向に沿った形でサポートいたします。
相続をお考えの方はまずは、お早めにご相談ください。
- 1、相続人調査(戸籍収集)
- 相続が発生したら、まず最初に相続人が誰かを、戸籍収集をして相続人を調べます。相続人なんて調べなくてもわかるという方もいらっしゃいますが、この戸籍は銀行や法務局での不動産等の手続きを進める際にも必要になり、戸籍で相続人であることを証明できなくては手続きも進めることもできません。そのため、亡くなられた方(被相続人)の出生から死亡までのすべての場所の全ての戸籍、そして相続人の現在の戸籍(戸籍謄本)が必要となります。(戸籍のあった場所がたくさんあるとそれだけ戸籍を集める必要があり、中には10通以上になる場合もあります。)
そして、相続人が誰であるかを戸籍で確定をさせます。
- 2、相続財産の確認
- 相続はその権利義務をすべて引き継ぐことになります。そして相続財産には、大きく分けて「現金」「預貯金」「不動産」等のプラス財産と、「借金や負債」等のマイナス財産があります。亡くなられた方の名義になっている財産は原則、プラスマイナス含めてすべてが相続の対象になります。
金融機関と取引があった場合には、預貯金については通帳記入をしておき、被相続人の死亡時までの残高証明を請求しておくといいでしょう。
不動産については、納税通知書や名寄帳(同一の所有者が有している不動産の一覧表のようなもの)等により、被相続人名義のものを確認します。亡くなられた方が公開されている株式等の有価証券を有している場合は、証券会社に問い合わせをしてください。金融機関等からの借り入れがある場合には、その残金の返済義務は、原則その相続人に承継されますので、金融機関に現状を確認する必要があります。マイナスの財産がプラスの財産より多い場合は、相続放棄や限定承認の手続きを取っていく必要があります。
相続放棄・限定承認は、相続があることを知ってから、原則3か月以内に家庭裁判所に申立をしなければいけません。
- 3、遺言の有無の確認
- 遺言があるかないかによってその後の手続きが変わってきます。相続人で話し合った結果(遺産分割協議)があったとしても、有効な遺言がでてくれば、その遺言の内容が優先されます。これはなぜかというと、「遺言=故人の意思」と言われ、相続で最も優先されるのが「遺言」であるからです。
遺言があった場合は、遺言書の種類(自筆証書遺言や公正証書遺言)によってその後の手続きが違ってきます。自筆証書遺言があった場合は、検認の手続きが必要なため勝手に開封はせず、家庭裁判所に手続きの申請をする必要があります。
遺言がない場合は、相続人の遺産分割協議を経て、どのように分割して相続するかを決定します。
- 4、相続方法の決定
- 相続財産の確認をもとに、相続方法の決定をします。相続方法の決定は、相続があることを知ってから三か月以内にする必要があります。
マイナスの財産がある場合でマイナスの財産がいくらあるかわからなく、財産も残る可能性があるときは限定承認の手続きを、プラスの財産よりマイナスの財産が多い場合は、相続放棄の手続きをする必要があります。
また、相続財産の確認が三か月以内に間に合わない場合は、この三か月以内の期間を延長する申立てを家庭裁判所に申請して、延長することもできます。
- 5、遺産分割協議※有効な遺言書がある場合は必要ありません
- 相続財産があり、相続人が複数いる場合は、被相続人の財産を相続人の間でどのように分割して相続するかを決めます。
これを遺産分割協議といいます。遺産分割協議をして、相続する内容が決まったら、遺産分割協議書を作成して、相続人全員の署名、捺印(実印)をし、印鑑証明書を添付します。
なお、有効な遺言書がある場合や、法定相続分に従って相続する場合には、遺産分割協議をする必要はありません。
- 6、名義変更手続き
- 相続財産のなかに登記された土地・建物がある場合は、所有権移転の登記(相続登記)をします。
また、預貯金の場合については各金融機関で名義変更の手続きすることになります。その他、自動車の名義変更や株券などの有価証券の名義変更手続きもあります。
相続登記
不動産の相続手続き(相続登記)をしたい
土地や建物などの不動産を相続される場合は、登記名義を変更する必要があります。これを相続登記といいます。
相続登記にいつまでにしなければいけないという期限はないのですが、いざその不動産を売却したり担保にして融資を受けようというときに、相続登記がされておらず亡くなった方の名義のままになっていると、買主への所有権移転や担保の設定ができないことになります。相続が発生した場合や、現在において不動産の名義が亡くなった方のままになっている場合には、なるべく早く相続登記をしておくことをお勧めします。
当事務所では、相続人調査から遺産分割協議書の作成、登記申請まで、ご依頼される方の意向に沿った形でサポートいたします。相続登記をお考えの方は一度お気軽にご相談ください。
相続放棄・限定承認
亡父に多額の借金があった
相続される財産には、借金や保証債権などのマイナスの財産も含まれます。
もしマイナスの財産の方が大きい場合は、相続放棄をすることでマイナスの財産を放棄することができます。マイナスの財産がいくらあるかわからないが、債務があっても財産が残る可能性がある場合には、限定承認という手続きをすることができます。
相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ相続の方法です。
また、相続放棄には、三ヶ月という期限があります。
逆に言うと期限(民法915条:自己のために相続の開始があったことを知った時から三ヶ月以内)までにこれをしないと財産・債務の単純承認ということで、債権者から債務の取り立てがあった場合は支払わなければなりません。
また債権者もこのことをしっているため、三ヶ月たってから債務の取り立てをしてくるケースも多いです。
マイナスの財産がある場合はお早目にご相談ください。
遺言
間違いのない遺言書を作りたい
遺言とは、ご自身が亡くなられた後、財産をどのように配偶者や子供、もしくは、それ以外の人に譲るかを、ご自身の意思で決定してしておき、それを実現させるためのものです。分割方法を「遺言」で指定し、遺産紛争を未然に防ぐ効果もあるのです。
当事務所では遺言書の作成についての各種相談・アドバイス・公正証書遺言の手続きの手伝いを行っております。特に公正証書遺言は検認手続(=裁判所における遺言の要式等の確認手続き)が不要なため、故人の財産を迅速に処理できるという点で近年利用される方も増えております。
当事務所ではひとつひとつ丁寧に関わっていくことで、必ず皆様のお役にたてることを確信しております。
遺言書の種類
遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
- 自筆証書遺言
- 遺言者のご本人だけで作成する遺言書です。最も簡単な手軽にかけるメリットがある遺言書ですが、一定のルールに沿って書かないと不備により無効となる場合や、ご自分で管理するため紛失や改ざんの可能性があるので注意が必要です。また遺言書の検認手続きが、ご本人が亡くなったあと家庭裁判所で必要になります。
- 公正証書遺言
- 公証役場で公正証書として作成される遺言書です。作成には遺言者以外に二人の証人が必要ですが、公証人が作成するので不備がなく、作成後は公証役場に保管されるので安心です。作成する手間はありますが、死後の検認が不要で、遺言書の確実性の面で、当事務所では公正証書遺言の作成をお勧めしています。
- 秘密証書遺言
- 遺言者本人が本文を作成し、証人二人と一緒に公証役場に行き、遺言書の封印を行う。ほとんど利用されていません。